西原六丁目 Kさんの記憶

 

昭和17年(1944年)生まれ、80歳(令和4年(2022年))

3歳の時の被爆体験を、不思議と今も鮮明に憶えておられるとのことです。

 


私は上海で生まれました。父は上海で商いをしていましたが、昭和20年(1945年)頃に、日本は戦争に勝てないと考えたらしく、家族を連れて、西原の実家に帰ってきました。

私は、当時3歳でしたので、ほとんど当時の記憶はありません。しかし、原爆投下の時だけは、不思議と記憶の中に残っています。

 

8月6日の朝、私は縁側の奥の畳の上に敷いたござの上に寝ていました。原爆が爆発した時、西原にも大変な爆風が届いたようです。私の身体も宙に浮いて、天井近くまで飛び上がったように思います。その後、奥の土間まで吹き飛ばされたように憶えています。

この話を他の人にしても、3歳の子どもがそんなことを憶えているわけない、などと言われます。しかし、私の中には確かにあの日の記憶が残っています。

市中心部から6~7㎞離れた、西原でもそれほどの爆風があったのです。