武田山の初日の出登山

 

毎年1月1日に武田山に登り、初日の出を拝む活動が、昭和39年(1964年)から行われています。

このページでは、平成16年(2004年)からこれまでの、初登山の際に撮影された初日の出の写真を掲載しています。

 

このページは、原学区体育協会山岳部長の岡本芳久さん、同協会副会長の沖村光雄さん、NPO 法人里山環境保全みどり会 の畑野康さん、武田山登山グループの山下正孝さんほかが撮影された写真と、はらだより・掲示板(平成28年(2016年)2月号)掲載の記事等から引用して作成しています。

 


令和6年(2024年)の初日の出:


これまでの初日の出:

初日の出: 平成16年(2004年)1月1日。山裾に霞たなびく素晴らしい日の出。


雲海: 平成28年(2016年)1月1日。柔らかく、ふんわりとした綿を敷き詰めた様な霧が、眼下いっぱいに、広がっていました。20年に1回あるかないかの景色だそうです。1枚目の写真の突起のようなものは、リーガロイヤルホテルの屋上部分です。

 

移り行く雲海の風景: 平成28年(2016年)1月1日。約2分間の動画です。


武田山「2つの初日の出」: 平成23年(2011年)1月1日。太田川の川面に初日の出が映り、まるで初日の出が2つあるようです。


 奇跡の1分: 平成20年(2008年)1月1日。雪のため全天を雲が覆う中、ほんの1分間だけ雲のわずかな切れ間から太陽が姿を見せてくれました。

 太陽柱(サンピラー): 平成26年(2014年)1月1日。光の柱が立ち上る「太陽柱(サンピラー)」という現象をカメラにおさめることができました。


新年の武田山初登山について:  原学区体協 山岳部 岡本芳久部長

 

新年の武田山初登山は、旧祇園町時代の昭和39年(1964年)から続けられている伝統ある行事です。ここでは、平成28年(2016年)の初登山のようすをお知らせします。

 

1月1日の朝5時に私は集合場所である安神社の境内にいました。

山頂へは、安神社から北西に向かい武田山憩いの森経由で、約80分かけて登っています。

近年では、祇園学区、原学区、山本学区、春日野学区の4学区の方々が参加されております。まずは、今回の初登山の安全祈願を致しました。 

それにしても、集合時間が近づいて来ますが一向に人の姿が見当りません。

不安だなー(笑)・・・・・・?

それもそのはず、今年から集合場所が祇園小から安神社に変わったからなのです。 

不安を抱えながら遠くに目を向けると暗い中から小さな明かりがぽつぽつと・・・近づいて見るとリュックを背負った方々の姿が見え始めて来ました。

 

今年の参加者は総勢約30名です。コースの説明と準備体操を済ませて、5時20分過ぎに出発!

登山路は山道入り口までは舗装されていますが、傾斜がきついので息が上がり、思いのほか汗をかきます。 約30分かけて「武田山憩いの森」に到着と共に休息をとります。

 

時刻は6時10分過ぎ、いよいよ山道に!

辺り一面は暗く静寂の中、ライトの明かりを頼りに小股で一歩一歩ゆっくりと登り始めます。さらに山道を進むと、20分余りで「馬返し」へ到着し、休息をとります。眼下に目を送ると、麓に広がる、白い光景は?・・・・・・ゆっくり確認する間もなく、給水して呼吸を整えて登り始めます。

 

前日の雨で足元が滑り易いと心配していましたが、里山環境保全みどり会様のご好意により、登山道を滑ることなく安心して登ることが出来ました。

なんと、登山道の落ち葉を「電動ブロワー」で吹き飛ばしてくれていたのです。お陰様でスムーズに20分余りで「御門跡」へ到着しました。

御門跡を出発して間もなくすると、谷の向こう側から登山者の声がチラホラと聞こえてきます。思わず「おめでとう!」と、叫びたくなりました。

 

次第に周りが明るくなって来ます。目の前に大きな岩が現れて来て、山頂は間近のようです。

標高410.5mの武田山山頂へは6時50分頃に到着しました。皆さんがご無事に登頂されました。

 

山頂はすでに大勢の方々でいっぱいです。山本学区体協が約130名、春日野学区体協が約20名、その他、安方面や大町方面から登って来られた方々を合わせると総勢約280名となります。

 

山頂では想像を超えた光景が広がっていました。まるで、柔らかく、ふんわりとした綿を敷き詰めた様な霧が、眼下いっぱいに、広がっています。聞くところによると、こんな光景は元日においては20年に1回、遭遇するかしないかの貴重な出来事だそうです。

 

美しい情景に浸っているとすでに時刻は7時20分過ぎになっていました。息を潜めて遠方の稜線を見つめると、うっすらと朱色に輝き始めます。今年初めての「御来光」です。祇園学区体協会長の音頭で皆さんと共に万歳三唱をしました。その歓声は山々に響き渡り、まさに天にまで届くかの様な勢いを感じられました。

 

しかし、私たちはゆっくりとする間もなく、下山される方々に祝い酒をおもてなし致します。5センチ程の小さな紙コップにお注ぎして、召し上がって頂きました。間もなくして、お別れの挨拶を交わしました。家路に向かわれる姿にはなんだか慶びを感じられます。 

山頂では、テントを張って過ごされているグループや鍋パーティーを楽しむ山ガールのほか、数名の方々が残っていて、新年の武田山を満喫されています。

 

最後に体協メンバーで改めて祝い酒を酌み交わして、今年も素晴らしい一年になることをお願いしました。

日頃から参道の整備や清掃をされている関係者の方々には、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

出典: 「はらだより・掲示板」(原学区社会福祉協議会 平成28年(2016年)2月号)