このページは、「原爆と祇園町」(昭和61年3月、原爆と祇園町編集委員会編集、広島市祇園公民館運営員会発行)から引用しました。
腹に火がついたと思った
今の大正橋西にある原郵便局付近のNさんは、閃光に驚いて戸口に出ようとした時、オレ ンジ色の水羊かんが波のように向かって来た。Nさんは、とっさに身を伏せた。次に見たものは、天井が吹き上がり 窓ガラスが飛び散り、建具は全部倒れていた。
外で野菜の手入れをしていたNさんの母は、腹に火がついたような熱線を感じたので、思わず手で振り払った。それ以後は、激しい下痢が続いた。今でも夏季になると、身体の調子が悪くなる。後遺症が死ぬまで付きまとうのかと思うと、 崖縁に立たされたような恐怖心が去らない。
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